祝!定年。一味違う人生の履歴書 今、輝いている理由
キャッチ
009 國井 正さん Man Kunii


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———とても自由で、自分を決め付けない、そんな柔軟さを感じます。

そうですか(笑)? 客室乗務員の頃もそうだったかもしれませんね。いわゆる、日本航空の乗務員はこうでなければならないという枠から、私は完璧に外れていたと思います。自分から外れようと思って外れたわけじゃないんですけど、変わった子だねと言われるのは少女時代からのことで、スチュワーデスになってもどこかでちょっと言われるんです(笑)。

―――そんな中でも、着実に昇進され、最終的にはチーフ・パーサーになられました。

でもね、私はチーフまで器用に上ってはいないんです。入社試験の際も苦労をしているし、人生トントン拍子、というわけでもないんですよ。だからこそ、不器用なスチュワーデスの指導が得意でした。要領よくやってきた人より、努力してもなぜか裏目に出てしまう、本当の能力が発揮できない、そんな人の気持ちがわかるんですね。

―――クルー時代を振り返り、何か印象的な出来事はありましたか?

1983年、機内で人命救助をしたことです。女性が心配停止になり、懸命の処置で蘇生させました。その事件が起きるほんの2カ月前、自主的に、赤十字の救急看護法の資格を取っていたんです。偶然というか、奇跡というか…。ドクターコールをしてお医者さまはいなかったので、3名いらした看護師の方にお手伝いをしてもらい、マウス・トゥ・マウスと心臓マッサージを施しました。ホノルル―成田間のフライト、到着およそ3時間前に発生。このことを機会に、日本航空の会社としても、客室乗務員に救急法の資格を取らせることになりました。

―――60歳の定年前に退職されていますが、どんな経緯だったのですか?

本当は、今年(2009年)の5月14日の誕生日が定年退職の日でした。この日にラストフライトをして客室乗務員の歴史を閉じるつもりだったのですが、昨年、50歳以上の客室乗務員に対して一斉に早期退職を促す通達が回ってきたんです。「あ、そっか」ってちょっと思って…。能力如何ではなく、交代の時がやってきた感じでしょうか。

一便一便を丁寧にこなしていくことが私の仕事でした。お客様を決してがっかりさせない、最高の満足度が得られるようサービスを提供し、安全に目的地までお運びする。そこに至るには、セールした方、予約した方、ハンドリングをした方、地上の方、そして、最後に飛行機の中の私たちがいて、地上と空、この地空一体のプロセスがすごく好きでした。連係プレイがあって初めてここにお客様がいらっしゃる―。その実感は、私にとって大事な誇りでした。でも、会社が私に退職をオファーしてくるなら、むしろこの波に乗ってしまおうと思ったんです。一生現役でいたいから、退職後に何か始めるなら、一年でも早いほうがいい、この一年間を次への準備期間にしよう、と。チャンスの女神には前髪しかないから、すかさずつかんだ感じです。

そして、退職を機に、チーフ時代にいただいたお名刺を頼りにごあいさつのお葉書を500枚出しました。中にはお返事を下さる方がいらして、少しずつ人脈がつながり広がっているところです。「これから新たなチャレンジをします」とお葉書に宣言していますから、いろんな方からの応援がいただけることが本当にうれしいんですよ。

———新たなチャレンジとして設立された会社、夢時のことを教えてください。(将来のビジョン)

いくつになっても、ワクワク・ドキドキ・ウキウキしていたい。生き方の素敵な男性にも女性にも、たくさん出会っていきたいと思います。そんな思いを表現したのが、夢の時を刻む、「夢時」という会社名です。

具体的な活動は、まずは石川真澄という人間が40年のフライト実績から得たものを持って講演活動をしています。女性はいつまでも美しく、そして人生をエンジョイ。“エイジレスな生き方が女性を変える!”がテーマです。また、ちょっとしたことで評価が格段に上がる、その極意をアドバイスする“接客マナー、ここがポイント”も。40年間のクルー人生を振り返るエッセイ「マッハの愉悦」をリタイアメント・ジャーナルに連載しています。

4泊6日のハワイツアーに10回参加してもここまではわからないだろう、というハワイの奥深さが実感できるロングステイのコーディネートも、主たる活動です。誰しも住んでみたい気持ちはあるのに、言葉や生活の問題に阻まれ、躊躇したり断念したりしています。それも分かるんです、例えば、ゴルフに行きたいけど予約はどうする? 誰と行けばいいの…? せっかくハワイでロングステイしても、そういう状態では淋しくて帰ってしまうのが現状です。

私は、そんな方々のつなぎの役がしたい。例えば、こうです。ゴルフに行きたいなら、何日にどこへ何人行くからジョインしましょう。終ったらビールで乾杯して、カラオケでも行きませんか? するとそこには、ゴルフにいなかった人も来ていて、明日はウクレレ教室に参加しませんかと誘ってくれる。行けばランチになって、その翌日にはアラモアナ公園で太極拳をするからぜひと、そうやって毎日がどんどんつながっていくんです。次第に、暮らすハワイになっていく。日本にはない生活が待っているんです。日本では消極的な人がどんどん前に出て行けるのも、ハワイという土地の魅力だと思います。

オリジナルの海外ウエディングと、シニアに限らず誰でも出来るハワイ長期滞在のプラン作りも企画していきます。例えば、ハワイの歴史も踏まえた本当のフラが習えるツアー。例えば、緑いっぱいの牧場を舞台にした芝生の上のハワイアンウエディング。材料はいくらでもあるんです。「過ごすハワイから、暮らすハワイにしませんか?」と、多くの人に伝えていきたいですね。

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輝きの理由 5つのQUESTION
Q1
座右の銘は?

「一期一会」
出会った時がチャンス、これまでも、これからも。

Q2
尊敬している人は?

広い心を持って何事にも努力を惜しまない人。

Q3
好きな音楽は?

数年前まで、会社の仲間と渋谷のライブハウスで月に一度のライブコンサートを開催。カーペンターズなどオールディーズを演奏し、担当はボーカル。チャリティコンサートも行っており、これからも機会があれば歌いたい。

Q4
趣味は?

10代からスキー、30歳からウインドサーフィン、40歳から水泳を始め、いずれも競技大会にチャレンジ。中型バイクと小型船舶一級免許取得。

Q5
美と健康のためにやっていることは?

ジムでの運動と水泳で体力づくり。食事のバランスに気遣い、それと共にサプリメントも30年前から摂取(USAの友人から新情報を仕入れて)。また、最近はアンチエイジングの基礎化粧品も使用。

Q6
物質的な宝物は?

物には執着しない。

Q7
メンタルな宝物は?

友人と、ハワイで過ごす時間。

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